脚本初心者Reonaのアイデア箱

何かアイデアがあったときここに書きなぐりたいと思います。

脚本『あるドアにまつわる話』

登場人物

悪の秘密結社の方々

博士、、、よく変な発明をしている

助手、、、博士の発明のお手伝いをしている。枝豆を育てるのが趣味

 

その他

男性スタッフ

女性スタッフ

主婦

脚本家

 

------------------------

○怪しい研究所
   いかにもな怪しい研究室。
   色んな装置がついた一般的なドアがひとつ置いてある。
   博士、ドアの横に立つ。博士の近くには脳波測定器。
博士「おお、ついに完成したぞ」
   博士、ドアをくぐらず開け閉めだけする。
博士「おっと、わしがくぐるのは危ないな。さっそく助手を呼ぶか」
   博士、スマホを出して助手に電話。
博士「おお、助手か。例のものが完成したから今から来てくれんか。。。。あぁ、、枝豆の方じゃない。。、いや、こいよ!。。頼む来てくれんか。。。お願いします。来てください。。ありがとう。。。。ああ、もう、、、ありがとうございます!」
   博士、怒りにまかせて電話を切る
博士「けひひひひ(笑い声)。覚えてろよ助手の分際で。わざわざお前をビミョーに懲らしめるために作ったこのドアで一泡吹かせてやるわ。枝豆野郎」
   助手、ダラダラと登場
助手「またしょーもない発明ができたんすか?僕が大事に育ててる枝豆より先に」
博士「ま、まぁ、時間があったんでな。早速だがくぐってみてくれんか。(脳波測定器を見ながら)脳波の測定をしたい」
助手「脳波?いやっすよ。脳いじられるのはさすがに」
博士「安全じゃから、大丈夫」
助手「じゃあ2万」
   助手、手を差し出す
博士「は?」
助手「いやだから2万円」
博士「え、どういう」
助手「博士なのににっぶいなぁ!人体実験に人を使うならしっかりお金出さないと。何かあったらどうするんですか」
   博士、ため息
博士「君はいつもそうだな。ちょっとくらいいいじゃないか。君はわしの助手なんだし」
   博士、助手に2万円を渡す。(助手2万円を持ったまま)
助手「2万円ちょうど頂きました。で、これはどういった発明なんです?」
博士「わしが完成するまでは仕組みを説明したくないタチなのは知ってるじゃろ。とりあえず人体改造もされないし、人体になにか毒を盛られるわけでもないから1度通ってみてほしい。上手くいったら説明する」
助手「まあ、私に害がないならいいでしょう。とりあえずくぐりますよ」
博士「たのむ」
   助手、ドアをくぐろうとする
博士「そういえば、その手に持っている2万円はなんじゃ?」
助手「え?」
   助手、ドアをくぐる。くぐる時にドアの上枠から出る赤い光線を浴びる。

   助手、手に持った2万円を不思議そうに見つめて
助手「何だろこの2万円」
博士「ああ、お金拾ってくれてありがとう」

   博士、助手から2万円を受け取る。
助手「ああ、どういたしまして。ていうかこれ結局何だったんですか?」
博士「ふふふ。聞きたいかね」
助手「勿体ぶるのめんどくさいです。早く答えてください」
博士「ずばり!用事消去ドアじゃ!」
助手「どういうことっすか」
博士「考え事をしながらこのドアをくぐると、考えたことだけポッカリと記憶からなくなるのじゃ」
助手「それってつまり僕の記憶から何かを奪ったってことですよね」
博士「まあそうとも言えるな。」
   助手、脳波測定器を指差す
助手「それではその測定器はくぐった者の脳波測るやつですよね」
博士「、、うん。まあ」
助手「ではさっきの二万円、私が博士に請求したやつですよね?」
博士「い、いや、わしが落としたやつじゃ」
助手「脳波は二万って決めてるんですよ」
博士「脳波は二万?!」
助手「早く返してください」
博士「くそー抜け目ないな」
   博士、助手に二万円を渡す
助手「ほんとこんなこすい手使わないでくださいよ。まあ、にしても今回はいい機械つくりましたね」
博士「え?」
助手「博士にしてはいい発明だと思います」
博士「博士にしては。」
助手「とりあえずいくつか改善点を見つけたので言いますね」
博士「君がこんな協力的なの珍しいな」
助手「悪な発明をつくるという志は同じですから。まずですね、ドア枠の上からでる赤の光線ですが。やはりくぐると光でバレてしまいます。目立たないようにした方がいいかと」
博士「なるほどな」
助手「あと性能は落ちると思いますが軽量化して一般的なドアと変わらないようにした方がいいと思います。今のままだと誰もそのドアに入りたがりませんよ」

博士「素晴らしい。たしかにそうじゃ。早速作業に取り掛かろう」
   博士、工具をもってドアの上枠をいじる
助手「ていうかどうしてこんなの作ろうと思ったんですか」
博士「それはじゃな。。」
   用事消去ドアの上枠から赤い光線が出る
博士&助手「あ」
助手「大丈夫っすか?」
博士「なんだったけな」
助手「もしかして何で用事消去ドア作ったのか忘れたんですか」
博士「ああ用事消去ドア」
   再び用事消去ドアの上枠から赤い光線がでる
博士&助手「あ」
   博士、用事消去ドアを見てびっくり
博士「何じゃこれは!」
助手「とにかくそれから離れてください」
   助手、慌てて博士の手をひき、用事消去ドアから引き剥がす
博士「助手よ。これは何の発明か説明したまえ!」
助手「これは博士が作った発明ですよ。忘れたんですか」
博士「なんと、ついにわしにもボケが始まったのか」
助手「いえ、マヌケなだけですよ。ただこの発明は素晴らしいです。改良して世界中にばら撒きましょう」

 

○悪の工場・ベルトコンベアー

一般的なドアと変わらない大量の用事消去ドアが生産され、次々とベルトコンベアーの上を流れていく

 

〇カフェ 
   カウンターで男性スタッフがコーヒーをお客さんに渡している。
   奥の扉からコーヒーを持った女性スタッフが出てくる。
   女性スタッフ、立ち止まり悩む。
女性スタッフ「あら?どのお客様にお渡しするんだっけ」

 

○ショッピングモール・駐車場・自動ドア前
   車の鍵を持った男、カートを押して外に出る。
   男、立ち尽くす。目の前には大量の車。
男「さて、車はどこだったかな」

 

○どこかの家庭・昼
   一人でテレビを見てる主婦。時計は3時を指している
主婦「小腹が空いたな」
   主婦、キッチンへの扉をくぐる

○同・キッチン
主婦「何しに来たんだっけ」

 

〇脚本家の家
   脚本家、机に着き腕を組み、目をつぶりひたすら唸っている
   突然目を開けて叫ぶ   
脚本家「閃いた!」
   脚本家、ペンを探す。
脚本家「くそ、ペンがない。早くしないと忘れてしまう。確か玄関にあったよな」
   脚本家、立ち上がり玄関に行くための扉をくぐり玄関へ
脚本家の声「うわぁあああああああ!!!!!!」

 

○怪しい研究所・監視室
   大きな地図が表示されたモニターの前にたつ助手と博士
   モニターのマップは人が用事消去ドアをくぐると赤く光る仕組みになっており、世界中が赤くチカチカしている

   博士と助手、しばらくモニターを眺めている
助手「これはなぜチカチカしてるんでしょうね」
博士「わからん。でも何かすごく大事なことを忘れてる気が、、、」
助手「まあ、おそらく世界中が困っているということなので、我らの発明が功を奏したということでしょう」
博士「そうじゃといいんじゃが」
助手「そういえば枝豆の花が咲いたんですよ。見に来てください」
   博士、あきれたように
博士「ああ、そうなの。暇だしいくかの」
   博士と助手、監視室を出ようとする。
助手「あれ?ここのドア新しくなりましたか?」
博士「そうだっけ?」
   博士と助手、ドアをくぐり去っていく。
助手「で何の話でしたっけ?」

 

 

------

P.S.

僕の職場にあるドアも用事消去ドアです。